重厚なワインを生み出す作り手の誇り
今日は、「ベルナール・デュガ・ピィ」についてご紹介します。
こちらのドメーヌを一言で表すと、「重厚なワインを生み出す作り手」です。
ただ、デュガ・ピィについて「がむしゃらに濃くて、ただパワフルなワインの造り手」と思っているなら、それだけではありません。
ベルナール・デュガ・ピィが造るワインはたしかに濃いです。
しかし結論から言ってしまえば、シャルムとマゾワイエールという、じつに微妙なテロワールの違いを表現する技量を彼は持ち合わせています。
「ピノ・ノワールは色が出ない品種だといわれますが、私はそうは思いません。つい最近もオークションで落とした1921年のジュヴレ・シャンベルタンを味わいましたが、マチエールのしっかりしたワインでした。この村は長期熟成が可能なワインのできる土地。だから私は、そのような骨格のしっかりとしたワインを造るべきだと思うのです」とベルナールは述べています。
デュガ・ピィは、ジュヴレ・シャンベルタンに、「シャンベルタン」「マジ・シャンベルタン」「シャルム・シャンベルタン」「マゾワイエール・シャンベルタン」という4つのグラン・クリュを持っています。
マゾワイエールはシャルムを名乗ることが許されているので、両方に畑をもつ造り手はふたつをまとめてしまい、アペラシオンをシャルムとすることが多いのですが、デュガ・ピィの場合はそれぞれを造り分けています。
正確に言うと、マゾワイエールが3分の1混ざったシャルムと、マゾワイエールのみのキュヴェがあります。
「もともと持っていたマゾワイエールの区画はシャルムとの境にあり、さほどテロワールの違いがなかったので、ふたつを合わせてシャルムにしました。その後、04年にマゾワイエールが増えたのですが、この区画はシャルムとまったく違って、大きな石がごろごろしています。それでこの区画のワインはマゾワイエールの単独キュヴェとしたのです」。
シャルムは表土が浅く、石灰岩の小石が多くてミネラルに富み、堅牢なワインになると主張する造り手もいますが、ベルナールの意見は異なります。
「大きな石があるマゾワイエールのほうがストラクチャーがしっかりしています。シャルムはより丸みがあり、名前の通り愛らしい」。
樽熟成中の11年からもその違いが伺えましたが、06年をボトルから試飲すると、双方の違いはさらに明瞭となりました。
シャルムが鷹揚な果実味を舌に絡みつかせる一方、マゾワイエールはより構造が緻密で果実の裏側にしっかりタンニンが潜んでいます。
デュガ・ピィの畑を見ると、どれだけ手間をかけているかがよくわかります。
摘芯も手作業。トラクターで土が踏み固まるのを避けるためです。
ベルナールは16歳まで学校に通いましたが、それ以後は父の元でブドウ栽培とワイン造りを学びました。
妻のジョスリーヌも日々畑に出ます。
ブドウ農家として13代目になる息子のロイックは、ディジョンの大学を卒業してドメーヌ入りました。
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