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ワイン大国フランス

ワインと言えばやはりフランスです。フランスワインは世界中で愛されています。生産量で言えば、常に世界のトップ3に入るワイン大国でもあります。

フランス概要
  • 栽培面積:約75万ha
  • 年間生産量:約4,580万hL
  • 人口6.700万人、GDP2.9兆ドルのフランス(2021年)は、ドインと並ぶヨーロッバの主要国です。総面積55万km2の国土は六角形であるため、フランス本土は「へキサゴン」とも呼ばれます。
  • ワイン生産量では、スペインやイタリアと肩を並べており、各地でワインが造られています。また、1935年制定のA.O.C.法(原産地統制呼称法)は現在のEUにおける共通ワイン法であるA.O.PやD.0.Pの基礎になっています。
  • 2018年のワイン輸出額は89億ユーロで世界第1位。最大の市場はアメリカであり、その他にはイギリス、近年中国が急速に伸びています。

なぜフランスワインが人気なのか

現在、ワイン生産量ではイタリア、ブドウの栽培面積ではスペインが世界1位です。
ただ、フランスワインは高品質でワイン文化が洗練されており、知名度もあることなどが影響しワインの産地として高く評価されています。特にフランスの気候と風土がブドウを造る上で最高の環境であることが起因しています。多くの土地が石灰質のためブドウ栽培に適しており、高品質なワインがつくられます。 シャンパーニュ、ボルドー、ブルゴーニュをはじめフランスには有名産地が多く存在し、国が一丸となりワイン生産のために良い環境を整えているのです。

フランスワインの歴史
  • 紀元前6世紀:古代ギリシャ民族のフォカイア人が現在のマルセイユにてブドウ栽培を開始
  • 1世紀:ローヌ地方にブドウ栽培が伝わり、その後にフランス全土に伝播
  • 中世:キリスト教の布教と共に教会や修道院を中心にワイン生産が発展
  • 1789年:フランス革命により一時ワイン生産が停滞
  • 19世紀〜:産業革命により経済発展が起こり、ワイン生産が隆盛
  • 1855年:パリ万博が開催し、ボルドー地方のメドック地区とソーテルヌ地区にてワインの格付けが制定
  • 19世紀後半:ブドウの病害による被害が拡大する
  • 20世紀:第一次大戦や大恐慌の影響があり、粗悪なワインや産地偽装などの不正が横行
  • 1935年:I.N.A.O.(国立原産地及び品質機関)の前身設立。フランスのワイン法であるA.O.C.法(原産地統制呼称法)が制定(I.N.A.O.が管轄)
  • 20世紀後半:醸造学の発展により各地でワイン品質が向上
  • 1990年代:自然や環境により優しい栽培法が流行

フランスワインの産地

フランスワインの産地は10地方に大きく別れます。

Champagne/シャンパーニュ
Bordeaux/ボルドー
Bourgogne/ブルゴーニュ
Val de Loire (Loire)/ロワール
Vallée du Rhône(Rhône)/ローヌ
Alsace-Lorraine/アルザス-ロレーヌ
Jura-Savoie/ジュラ-サヴォワ
Sud-Ouest/南西地方
Provence-Corse/プロヴァンス-コルス島
Languedoc-Roussillon/ラングドック-ルーション

フランスの主な気候区分

フランスは北緯42~51度(日本の北海道〜サハリン)に位置していますが、暖流の北大西洋海流(メキシコ湾流)の影響により、高緯度にありながらも厳しい寒さから免れています。

大陸性/半大陸性気候北部:シャンパーニュ、ブルゴーニュ、ロワール河上流、アルザス
特徴:冬が寒く、夏が暑く、雨が少ない
海洋性気候西部:ボルドー、ロワール河下流
特徴:冬温和、夏比較的涼しく、湿度高め、やや雨多い
地中海性気候南部:ローヌ南部、ラングドック・ルーション、プロヴァンス
特徴:冬温和、夏暑く、一年中日照量が多く、乾燥している
山地/高山性気候東部:アルプス
特徴:冬厳寒、夏短く、天候の変化が大きい

フランスワインの主要品種

フランスのワイン用ブドウは、数千種あり欧・中東系種Vitis Vinifera(ヴイティス・ヴイニフェラ)に属しています。

白ブドウ品種:ユニブラウン、シャルドネ、ソーヴィニヨンブラン ※栽培量上位3種

黒ブドウ品種:メルロ、グルナッシュ、シラー ※栽培量上位3種

フランスワイン法

1935年にフランスのワイン法である原産地統制呼称(A.0.C.)法が制定され、生産地域の地理的範囲の他、ブドウ品種最大収量最低アルコール度数剪定醸造方法などが国の法律で規定されました。
また、2009年にEUで新たなワイン法が発効され、フランスではEUワイン法にのっとって独自のワイン法を制定し、それまで4段階の区分であったワイン法から3段階の区分になりました。

旧ワイン法(ヴィンテージ2008まで)4段階の格付け
1.A.O.C.(Appellation d’Origine Contrôleeアペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ):原産地統制呼称ワイン
2.V.D.Q.S.:地域指定上級ワイン
3.Vin de Pays(ヴァン・ド・ペイ):地酒
4.Vin de Table(ヴァン・ド・ターブル):テーブルワイン

新ワイン法(ヴィンテージ2009から)3段階の格付け
1.地理的表示付きワイン(原産地呼称保護):A.O.P.(Appellation c’Origine Protégeeアペラシオン・ドリジーヌ・プロデジェ)
2.地理的表示付きワイン(地理的表示保護):G.P.((Indication Geographique Protégeeアンディカシオン・ジェオグラフイック・プロテジェ)
3.

1A.O.C.(Appellation d’Origine Contrôleeアペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ),:原産地統制呼称ワイン,2V.D.Q.S.※:地域指定上級ワインの,3 Vin de Pays(ヴァン。 ド。イ):OM-IV/DA22AHO4 Vin de Table(ヴァン・ド・ターブル):テーブルワイン,※2011年で廃止され、新ワイン法におけるA.0.P.または1。G.P.に移行した

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